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さよなら原発★ちがさき

nonukeschi.exblog.jp

市民の緩やかなネットワークです。原発について学び、正しい情報を得ることから始めます。


─ 全国47都道府県に放射線測定器を配備した市民観測所を
という目標を掲げた『測定器47台プロジェクト』というとりくみ
が始まっています。
いま福島で起こっていること。_b0213609_11102792.jpg

その皆さんたちが3回目の福島訪問を終えてのレポートです。
(ご本人のご了解を得て、原文の固有名詞をイニシャルに変更し、
改行位置を調整させていただきました。)

***ここから*****************
みなさま

 山梨のHです。4月29日から、5月2日まで、KさんとIさんと一緒に
福島にいってきました。Iさんは、残ってまだ地元の市民の要望に
応えて、測量を行なっていますが、早く引き上げてきてほしいと、
僕は心配しています。

今日は、福島の状況について少し報告したいと思います。福島に
行った目的は、正確な放射性物質の拡散の情報も得られない福島県
の市民にガイガーカウンターを手渡し、市民の手で測定をして、
自ら正確な情報を入手してもらい、当面福島県からの避難を促そう
という意図がありました。僕たちは、三春町のMさん宅に泊めても
らいました。三春町は、桜の花が咲き乱れ、お寺も多く、こじんま
りした、穏やかでとても美しい町で、放射能のことさえ、忘れてし
まえば、昨日と今日は、何も変わらず、同じ時間が流れているかの
ように思われ、眼に見えない放射能被害の恐ろしさを認識し、避難
することは、如何に困難かということを思い知らされました。見た
目、家屋にはなんの損傷もみられず、そこにはいつもと変わらぬ自
宅もあり、生活の糧を得る基盤となっている日常生活があるという
状況下で、人々は、移住の決断ができるのだろうかと自分のことと
して考えると、本当に苦渋の選択だと思いました。
いま福島で起こっていること。_b0213609_11161172.jpg
                          
 三春町は、郡山市や福島市に比べると、原発からの距離は近いに
もかかわらず、空間線量も比較的低い値で、放射能汚染は、同心円
的に拡散するものではないことを改めて認識しました。自動車に搭
載している線量計は、ある地区は、とても強く汚染されていたり、
200メートルも離れると、半減していたりで、汚染度はまだらで、
きめ細かい測量が必要なように思えました。郡山市では、開成山公
園は、地面1メートルで2.22マイクロシーベルト、1センチで2.5マ
イクロシーベルトととても強く汚染されていました。2.28マイクロ
シーベルトで、年間被曝量に直せば、20ミリシーベルトですから、
原発従事者の年間限度量20ミリシーベルトを越えていました。

               (開成山公園での測定風景)
いま福島で起こっていること。_b0213609_1117573.jpg

 僕たちが、泊めていただいたMさんは、原発が爆発したとき、い
ち早く避難したそうですが、その後再び自宅に戻ってきました。昔、
チェルノブイリ周辺で、再び故郷に戻って暮らしている人々がいる
という話を聞いた時、どうしてなんだろうと訝しく思ったことがあ
るけれど、今はその人たちの心境がよくわかると言っていました。
長年、反原発の運動をしてきたMさんのところには、言いたいことが
言えない状況で、多くの人が相談や今の心境を語りにきます。

               (地元の人たちへの測定説明会)
いま福島で起こっていること。_b0213609_1120545.jpg

 小学校の女性教員の方から聞いた話は、とてもショックだったの
で、少しその話を紹介します。彼女は、原発から20キロの少し外に
自宅があり、原発の爆発のとき、地震で壊れてしまったサッシの窓
を修繕するために屋外にいて被曝してしまったそうです。彼女には、
もう症状がでていて、水で顔を洗うと、チクチク、ヒリヒリと皮膚
が痛み、物凄くだるいそうです。弟さんは、もう下痢が始まってい
て、病院に通っているそうです。私は、原発の被曝で殺されるのか
と思うと、死んでもでも死に切れない。彼女の勤める学校では、あ
る教員が、被曝を恐れて休職して、避難すると申し出たところ、同
僚の教員からお前だけに逃げるのかと、罵詈雑言を浴びせられ、一
言も発せず、学校を離れたあと、いなくなった彼の机を蹴っ飛ばす
同僚もいたそうです。学校の中でも、一人や二人しかこの事態をお
かしいと思っている人がおらず、ほとんどは、文科省や教育委員会
の説明を鵜呑みにしていて、おかしいのではないかという人を、考
えすぎと軽く片付けられてしまって、なかなか話もできず、一人悩
んでいるそうです。
 また福島では、長崎大学のY教授が、放射能は怖くないという講演
をいたるところでやっていて、そのためそれまでマスクを付けてい
た子供たちまで、マスクをはずしてしまうようになってしまったと
嘆いていました。またどこの家庭でも、避難するべきか否かを巡っ
て家庭内でも口論が絶えず、家族がばらばらになっているというこ
とでした。福島の人たちは、本当に大変な状況に追いやられている
と思い、言葉もでませんでした。

 夜には、奥さんが妊娠中のカップルと、2歳の女の子のいるご夫婦
が訪れ、避難したい意志表示をしてくれたので、とりあえず、北杜
市に疎開しませんかと誘いました。Kさんと僕は、帰り道、参議院
会館で行なわれた集会に参加しました。厚労省や文科省の役人の答
弁は、まるで他人事で、同じことを繰り返すロボットのような答弁
で、これは、歴然とした国家犯罪だと思いました。「わたしたちは、
モルモットじゃないんだ」と叫んだ福島から来た若い女性の叫びは、
多くの福島県民の叫びだと思いました。

 その後、二組のカップルの方が、この八ヶ岳に体験疎開をしに、
やって来られ、いまこちらに滞在しています。彼らのお話しを聞く
につれ、福島の人は、本当に大変な状況におかれていると、再び認
識を新たにしました。とりわけ子育て中の多くのご夫婦の心配は、
尽きなく、洗濯物も外に干せず、子供たちを外で遊ばせることもで
きず、窓も開けられず、と日常の何気ない営みさえ、出来ない状況
です。こんな状況は、決して長く続けることできず、近い将来もっ
と大変なことになるだろうことは、想像に難くありません。福島、
郡山、二本松といった都市の人口をあわせると、100万人近くの
住民がいて、日本全国の各地で、分担して移住の受け入れの準備を
しなければならないでしょう。

 今日は、ぼくの住む北杜市の市営住宅を見てきました。市から補
助は、半年間にわたって住居を提供するだけで、光熱費や燃料代は、
自分に負担しなければなりません。国から支援は、一切なく、お金
を稼ぐ手立てがなければ、とても疎開さえ出来ません。国は、東電
や中部電力の救済ではなく、被災者ベーシック・インカムを考える
べきだと思いますが、行政を全くあてにできない今、僕は、いろん
なイベントに出向いて、市民によるファンドを募りたいと思ってい
ます。

 そしてどうにか当面、疎開できるような状況を作りだし、疎開し
たくともできないでいる人たちが、疎開できるような状況を作りた
く思っています。そして福島から少し離れた地域の市民が、他人事
と思わずその地域で、受け入れ態勢を整えるような試みをしてくれ
たら、と思います。眼の眩むような話ですが…。
福島の原発が、これ以上の悪化を免れることを祈りつつ。
                            H拝
*****************ここまで***

いま福島で起こっていること。_b0213609_11243142.jpg

# by nonukes-1104 | 2011-05-14 11:25 | 福島事故現状
二つの図表(画像)をご覧ください。

▼福島第一原発から80km圏内のセシウム137の地表面への蓄積量
 《文科省2011年5月6日発表、別紙4、4月29日現在の値、Bq/㎡

▼チェルノブイリ周辺のセシウム137の地表の放射線量
 《IAEA2006年発表、資料の25ページ、kBq/㎡

土壌汚染、チェルノブイリの4倍???_b0213609_14371624.jpg

土壌汚染、チェルノブイリの4倍???_b0213609_14375577.jpg


福島の「空色」  30万~60万ベクレル
福島の「緑色」  60万~100万ベクレル
福島の「黄色」  100万~300万ベクレル
福島の「赤色」  300万~1470万ベクレル

チェルノブイリの「濃橙色」 55.5万~148万ベクレル
チェルノブイリの「赤色」  148万~370万ベクレル


勿論、汚染された面積は(現段階では)、チェルノブイリの方が
遥かに広大に汚染され、大きく違います。
ところで、汚染の程度は如何でしょうか…。

1470÷370=3.97≒4
福島は、最も強く汚染された「赤色」の地域は、既に
チェルノブイリの約4倍もの放射能が蓄積???


チェルノブイリでは、
「濃橙色」55.5万ベクレルで”強制移住ゾーン”
されましたが、
福島ではそれ以上の「青色(の一部)」「緑色」「黄色」「赤色」の地域の内、
未だに”計画的避難区域”や”緊急時避難準備区域”と
されていますが大丈夫???

土壌汚染、チェルノブイリの4倍???_b0213609_1449565.jpg


素人は上記の事実を深刻な事態だと受け止めますが、「専門家」の
皆さん、是非解説をお願いします。
大体、このニュースが殆どメディアに載らないことが不思議に思います。
5月6日発表でしたので、例の「浜岡原発一時停止要請」のニュースに
食われ(せ)てしまったのでしょうか。


━ 2011年5月16日追記 ━
地元の先輩から、
要旨 『この放射能汚染マップのパターンは、南東風の時に爆発を起こした
際に現れるものであり、該当する爆発は、3月12日15時36分の1号機の
水素爆発以外にはありません』 と教えていただきました。
下記はそのときの風向・風速の記録です。
土壌汚染、チェルノブイリの4倍???_b0213609_10222779.jpg

# by nonukes-1104 | 2011-05-11 14:51 | 福島事故現状

既にご覧になった方も少なくないと思いますが、
より多くの皆さんにお勧めしたい、原発関連の映画を、二つご紹介します。
エネルギーの未来を考える「ミツバチの羽音と地球の回転」、
そして高レベル放射性廃棄物を考える「100,000年後の安全」
です。

地元に近い上映映画館は横浜の「シネマ ジャック&ベティ」です。
ミツバチ…は5月7日から上映中、100,000年後…は5月21日から上映です。



ミツバチの羽音と地球の回転
たまにはドキュメンタリー映画でも_b0213609_18174329.jpg

2010年/日本/公開2011年2月19日/
上映時間1時間56分/配給制作グループ現代

チェック: 山口県で進んでいる上関原発計画に向き合う祝島の人々と、
脱原発を国民投票で決め石油に依存しない生活の可能な社会を目指す
スウェーデンの人々の取り組みを並行して描き、エネルギーの未来と社会
のシステムを問い掛けるドキュメンタリー。監督は、前作『六ヶ所村ラプソ
ディー』では原子力産業の最前線で生きる六ヶ所村の人々をクローズアッ
プした鎌仲ひとみ。人々の感性と思いが国を超えて交錯し、新しいビジョン
を描き出す構成が見どころ。

ストーリー: 高いレベルでの福祉を実践し、微少ながらも経済成長を続け
ているスウェーデン。さまざまな課題を乗り越えてきたスウェーデン社会の
あり方を、地域の中に生きる人々の視点で見つめる。一方、山口県祝島の
人々が育んできた自然と共生する暮らしのあり方は、原発建設に伴う環境
破壊を前にし、危機にひんしていた……。
《以上、シネマトゥデイの紹介文》



100,000年後の安全

英題INTO ENTERNITY/2009年/
デンマーク・フィンランド・スウェーデン・イタリア/
日本公開2011年4月2日/上映時間1時間19分/配給アップリンク

チェック: フィンランドのオルキルオトに世界で初めて建設されることに
なった、高レベル放射性廃棄物の永久地層処分場にカメラを向けたドキュ
メンタリー。ミカエル・マドセン監督自らすでにプロジェクトが動き出したオル
キルオトに赴き、関係者たちの取材を敢行。本作は10万年間保持される
予定の、地下要塞のような施設のあり方を静かに問い掛ける。実際この
壮大な計画に着手することを決めた専門家たちが語る、未来へのメッセー
ジにいろいろと考えさせられる。

ストーリー: 原子力発電所から多量の高レベル放射性廃棄物が排出さ
れる昨今、それらの廃棄物は暫定的に集積所に蓄積される。このままで
は自然災害や人災の恐れもあるため、フィンランドでは世界初の高レベル
放射性廃棄物の永久地層処分場建設を決定。雄大な北欧の大地の奥深い
場所に、廃棄物は今後10万年もの間保持されることになる。
《以上、シネマトゥデイの紹介文》


                クリック
映画『100,000年後の安全』
# by nonukes-1104 | 2011-05-10 18:19 | 参考文献・映画等
6.11脱原発100万人アクション_b0213609_9334742.jpg

「原発やめますか、それとも生活やめますか」
 「プルトニウム、無害になるまで100万年」
  「電力に代わりはあるけれど、 いのちや自然に代わりはないよ」
   「シーベルトともベクレルともさようなら、再生可能エネルギー」

     「福島の大地を、子どもたちの未来を返せ!」
      「大人災、想定外とは言わせない!」
       「東電はイヌさん、ネコさん、ウシさん、トリさん、サカナさんにも謝罪しろ!」
        「原子力危険委員会・原子力不安院、ともに廃炉に!」
         「斑目・出鱈目・あんた駄目」…大阪のおばちゃんに大うけ
          「ほあんいんぜんいんあほ」(回文)…小学生の中で大はやり

            「今まで無関心でゴメンなさい」
             「今怒らなければ、いつ???」
              「政府でも、東電でもなく…私たち」



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6.11脱原発100万人アクション

6月11日は、福島原発震災から3ヶ月。

今なお放射能の放出は続いています。

私たちは、人や自然を傷つける電気はいりません。

全国各地域の人々とともに、6月11日に脱原発を求める100万人アクションを呼びかけます。

6月11日は、声をあげましょう!

今こそ脱原発へ!!



6.11脱原発100万人アクション

この ↑↑↑ 出来立てほやほや(!)のサイトから誰でも賛同できます。

私たち市民のひとり一人が、この社会を前進させるために意思表示しましょう。
「さよなら原発★ちがさき」は既に賛同団体として掲載されています。

# by nonukes-1104 | 2011-05-04 09:48 | 意思表示・行動
4月27日午後、衆議院第1議員会館において、
緊急院内集会
「福島原発事故に関する公開質疑
~事態の見通しと対応策~」

開催されました。

主催は超党派国会議員有志(6氏、連絡先服部良一事務所)で、
市民団体が協力するかたちでした。

結局は手探りなのだ…_b0213609_17572063.jpg


この集会の報告が以下の通り掲載されています。
報告① 報告/山口響(4月28日)
報告② 国は何を知っているんだろうか─感想/山崎久隆(4月29日)
報告③ 原発の現状も避難態勢も「わからない」という恐怖/杉原浩司(5月2日)

その内、最も気がかりな「福島第一原発そのものの状況について」(報告①
の前半部分)以下にご紹介します。全文は上記のリンクからお読み下さい。

               (4号機使用済み燃料プールの様子)
結局は手探りなのだ…_b0213609_18114661.jpg

A. 水素爆発、水蒸気爆発の可能性については、可能性は低いと
しつつも、それがありうること自体は否定しませんでした


B. 「燃料再臨界の可能性はきわめて低い」と言いながら、原子炉内で
融けた燃料がどのような状態で再集合しているかわからない、とも述べ
ました。つまり、今後再臨界が絶対にないとは言い切れない状態で
あるということです。

C. 各号機の圧力容器・格納容器の破損については、どの部分が破損し
ているかを推定するに足る十分なデータを政府が持っていないことが
わかりました。

D. 燃料を冷却するために政府が行いつつある「水棺」について、格納
容器が水圧や余震の揺れに耐えうるとの100%の保証を政府は
与えることができませんでした


               (「水棺」模式図)
結局は手探りなのだ…_b0213609_18134532.jpg




如何でしょうか…。冷静に見て、事故の収束は見通せない、予断を許さない
事態が、今現在も継続しているというのが実際ではないでしょうか。

改めて、全ての知識、技術と経験を結集してこの事態にあたってほしいと、
願うばかりです。

3月30日に「16氏が行われた建言」は、こう訴えていました。
─事態をこれ以上悪化させずに、当面の難局を乗り切り、長期的に危機を
増大させないためには、原子力安全委員会、原子力安全・保安院、関係
省庁に加えて、日本原子力研究開発機構、放射線医学総合研究所、産
業界、大学等を結集し、我が国がもつ専門的英知と経験を組織的、機動
的に活用しつつ、総合的かつ戦略的な取組みが必須である。
私達は、国を挙げた福島原発事故に対処する強力な体制を緊急に構築
することを強く政府に求めるものである
。─
この建言は、残念ながら、無視されたと言わざるを得ません。

               (3号機爆発3分後)
結局は手探りなのだ…_b0213609_18233844.jpg

# by nonukes-1104 | 2011-05-02 18:26 | 福島事故現状

by nonukes-1104